一昨日のこと、昼間外にいたミヤさんが家に入るなり「ピーノ、カヌンが甘い匂いを
しているから切って」と言ってきた。樹の中くらいのところにぶら下がっている
実が、いい匂いを放っているので早速穫り入れた。
一頃私が切って中の果実を出すと、パックにして店で売ってたのだが、私も面倒だが
ミヤさんの方も売れ行きが芳しくないため、あまり積極的にならなくなったので、
上の方になっている実は高くて取り入れるのに脚立が必要だし、脚立の上で片方を片手
で掴んで片方の手でカットするなんて危なくて出来ないから放っておいた。
よくしたものでそうしていたらリスが来て齧り、リスが齧った後を小鳥が来て啄み、
最後には腐ったままぶら下がっていた。
昨日の朝買い物に行って帰ってくると、「ピーノ、カヌンの実を切ってあるから、
中の果物を取り出して縦に切ってと説明された。
これがミヤさんが示した切り方である。
これは重労働になると思ったら案の定で、屋台の下準備やら昼飯、ミヤさんを送って
帰宅してからまた作業で、結局すべてをカットするのに3時間半かかってしまい、その
しわ寄せが腰に来てしまった。
結局昨日は何も出きなくて、今日ミヤさんが休みのため続きをやりだした。
家で食べるのかと思いきや、実はチャチェンサオの義弟がブアット(出家)するので、
それに提供するための菓子を作るのだという。
私がカットしたカヌンは水に浸けて濯いでいたが、ヌルを取っていたのかもしれない。
その一方で大きな鍋を出し、半分ほど水を入れ温め始めた。
湯が沸き始めると砂糖をおよそ1.5㎏くらい加えたあと、沸騰して砂糖が十分溶けた
頃合いを見計らい、水に浸けていたカヌンの水を切り鍋の中に入れ掻きまわし始めた。
中火にして十分に煮込んでいたが2時間くらいは経っただろうか。
結果はこんな感じになった。
一体どんな感じだろうと少し分けてもらって食べてみたが、ものすごく甘い。
それはそうであろう。カヌン自身が甘い果物であるし、それに1.5㎏も砂糖を入れた
のだから甘いはずである。
カヌンの食感はというとほとんど歯応えはなく口当たりはいいが、日本人にはただ甘い
だけのものである。
まだ桃の缶詰のシロップの方がいいかもしれない。
日本にはこの手の菓子はないが、タイにはココナッツミルクにバナナを入れて煮たもの
タロイモを入れたものもあるが、これらはどういう分類になるだろうか、水菓子と
言えば夏の果物の別称になるが、これが本当の水菓子ではなかろうか。それとも生菓子
とでも呼ぶのだろうか。