前回の投稿で、綺麗な日本語を使おうと、以前から思っていたことを書いたのだが、
実はそれは最近思ったことではなく、ブログを書き始める前の会社勤めを始めた時から
決めていたことであった。以前働いていた会社では当初設計をしていたのだが、やがて
開発(生産準備部門)に転属となり、そこではことある毎に報告書を書かされたが、
報告書っていうのは開発に関わる報告であるため、文学的表現は一切なく結果と事実と
原因を、誰もが納得できるように科学的に報告しなければならないように教えられた。
相手が社内の人間だけなら問題ないのだが、タイの会社に来てからはQA(品証部)を
担当するようになり、得意先に対し調査結果を報告しなければならず、実は日本人だけ
を相手にしているうちはよかったが、ついでに現地スタッフにも報告するよう言われ、
後になって困ったことが結構あった。 困ったと言ってもそれは私の語学力の問題で、
今は翻訳アプリがあるから、正しい日本語が掛かれていれば問題はないのだが、問題は
本文に英訳した報告書も添付し、相手日本人と共に現地スタッフにも挨拶と共に送付
する場合である。私は語学など修めたわけでなく、翻訳アプリを駆使していた方だから
的確な英語ができるわけはないので、「毎々お世話になっています」やら、「恐れ入り
ます」「お邪魔しました」などを挨拶がてら使うと、そのまま現地スタッフにも送る
わけにもいかず、これを英訳するのにえらく苦労したことがある。
つまり、これらの言葉の英訳文はシチュエーションによってどうにでも変えられるから
である。これは何回も繰り返して、何とか勝手に自分に言い聞かせて理解した結果だ。
【オノマトペ(英語:onomatopoeia)】
自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語。擬音語
義声吾・擬態語など。これは言っていることは分るのだが、これらを報告書の中に使う
ことは殆どないからいいのだが、これらも報告書に入れることはなくとも、うっかり
メールの挨拶文に入れると英訳がやたらと難しくなって困ってしまう。音の場合はまだ
しも、うっかりメールの文中に「しみじみ」だとか「つくづく」だとかの擬態語を使っ
た場合、そのシチュエーションから英文を選ばなければならなくて困った場合もある。
今はメールを出すことも英文に変換することもないから全く問題ないが、一時期は
しとしと降る雨は小降りの雨だとか、土砂降りの雨だとかその時の状況を表現したこと
もあり、今思えば懐かしい。
懐かしいのはいいのだが、逆に今は歳と共に表現力が乏しくなっていってるような気が
してならない。
以下はYou-Tube「JAPANの真実」【3文字の手紙】より引用しています。
何年か前に海外のメディアが日本語でしか表現できない言葉の特集で、たった3文字
に込められた意味を探るという特集が組まれたそうである。その手紙とは、実は日本
から南極の昭和基地に送られた電文で、そこにはたった3文字「あ・な・た」と書かれ
ていたそうであるが、それを受け取った隊員はそれを見た途端。泣き出したそうであ、
さらにそれを見せられた他の隊員ももらい泣きしたそうだ。ところが番組の参加者には
何で泣いたのか判らなかったそうである。その手紙の意味を「あなた=YOU}と
説明があったそうだが、なぜ泣くことになったのか参加者には判らなかったそうだ。
しかし司会者がこの「あなた」に込められた、以下に続く「風邪など引いていません
か?」等々、妻からの気持ちを伝えられたコメンテーターたちも、思わず泣いてしまっ
たそうである。たった3文字に込められた思いの大きさの話である。
詳しくは【3文字の手紙】をご覧ください。
手紙ではないけれど、日本語は綺麗にしようと思えば表現は本当に綺麗になるものだと
いつも思うが、汚い表現もこれまたいくらでもある。人様の眼に触れるものだから
できる限り綺麗にしたいものである。