金曜日夜、息子夫婦が久し振りに帰宅した。
息子夫婦は二人で相談しながら、ラヨーンでそんなに広くはないが二人きりの暮らしの
ため、一戸建ての家を購入しそこからそれぞれの勤務先に通っている。
息子が帰宅したのには通院と言う理由があるのだが、どうやらそれも今回が最後のよう
である。息子は会社でサッカーをやっているのだが、捻挫やら骨折やらでこれまで3回
ほど入院などを繰り返してきたが、早々いつまでもこんなこと繰り返さないようにと、
いつだったか酔った勢いで言い聞かせたことがある。
日本にいた時は自分の血を分けた子供達だから、何の気兼ねも遠慮もなく腹を割って
話すことができたのだが、ここでは話すにしても途中で何というタイ語なのか分から
なくなり日本語になってしまうこともある。そういう時はミヤさんに助け船を出し貰っ
ていた。さて一夜明けて午前中に病院へ行ってきた息子とミヤさんが何か相談していた
のだが、3時過ぎころになってミヤさんから「ピーノ、遅い昼食って言うか早いけど
夕飯食べに行こう。支度して」と言い始めた。私が「娘もいないし、今は節約中で外食
なんかできないだろ。」と言うと「娘のことは自分でやるからいいの! 折角息子が
食事を一緒にしようって言ってくれているんだから、たまにはいいじゃない?」と
言うが、どうやら息子の懐を当てにしている様子。まあいいかと腰を上げ車に乗り込む
と、何のことはない我が家とは目と鼻の先の、中国寺院のすぐ先にある路傍のタイ飯屋
であった。
ここなら娘がいなくとも、我々二人と息子夫婦の4人でいくら食べてもたかが知れてる
だろう。・・・で注文したのはチムチュム(鍋料理)・ソムタム2種類・コームー
ヤーン(豚の喉の味付け肉)とカオニヤウともう1種類。これでは気が引けると思いき
や、ミヤさんが珍しく「ピーノ、ビール飲む?」と言ってきた。ここのところ晩酌も
ままならない状態なのにビールなどと思ったら、案の定「2人で1本だけね」ときた。
ビールを2人で一本なんて、喉を濡らす程度だがそれでも息子の懐から出るお金だから
贅沢は言えない。遅い昼食と言うか早めの夕食で、もう後は寝るだけだが久し振りに
アルコールで喉を湿らせた。結局息子たちはいつもの様に、翌日曜の朝10時ころ帰って
行ったのだが、やっぱり日曜の午後はゆっくりしたいのであろう。