Jinbeiのシャム便り

タイ在住の年金暮らしの専業主夫のジジイで、タイ生活/日記一般を綴っていきます。

母の命日に、タンブンでお寺の金堂の清掃

10月25日は母の命日で、いつも通り起き出すもロックを外に出した後、仏壇に線香を

あげてお茶を淹れ一休みしているとミヤさんから、「ピーノ、タンブンに行くからご飯

早めに食べちゃって」と言われた。普段何もしない私が線香をあげたのを見ていた

娘が、訝し気な顔をしていたので「今日は日本のお婆さんが死んだ日」と、説明すると

納得した顔をした。下の写真は15年ほど前のものである。

ミヤさんは「タンブンに行く」とは言ったものの、バケツやら束子・ホウキ・洗剤・

チリトリを用意し始めた。タンブンだからお寺へ行くのは分るが、掃除道具を持って

何するのかと思い理由を聞くと、お寺の掃除がタンブンだということらしい。つまり

「物を寄付する」「お金を寄付する」のではなく。「善行を積んで徳を積む」という

タンブンのようである。意味合いはともかく、私にしてみれば偶々の偶然であるが、

ミヤさんの思いと、母の命日にお寺へ行くという私の気持ちが重なり幸いである。

お寺は我が家の近くで「ワット・ナープラウ」と言い、息子がブアック(出家)で修行

したところである。

車で敷地内に入りどうするかミヤさんに確認すると、一旦車から降りお坊さんと何やら

話していたあと、お坊さんに促されて一旦外に出て裏口から中に入り、言われるまま

進むと何のことはない金堂である。金堂は息子の出家式と還俗式の時に来ているので、

言ってくれれば分かったが、そうは言ってもタイ語で会話ができない身の辛さである。

金堂の敷地内に入る時お坊さんから、「門は開けっ放しにすると、犬が入るから閉める

ように」ときつく言われた。あけ放っていると犬が勝手に入り込み、所かまわずフンを

するからだそうだ。確かにタイのお寺はどこへ行っても犬と鶏はいっぱいいて、飼って

いるのか野良なのか判らないし、敷地内は犬のフンやら鶏フンがそこら中にあって、

歩くのに油断できないのである。金堂は奥側から入るのだが、一応掃除用具は持って

きたが、床洗い用石鹸や水道のホースがないため、金堂の清掃は任せ買いにいく。

必要なものを買って戻ると、金堂の中は娘が履き終わって粗方終わった感じである。

因みに、普段金堂に入ることはあまりないのでユックリご本尊にお参りである。

金堂の中は娘に任せ、私とミヤさんは外回りの清掃だが、外回りはハトのフンやら

小さなゴミが一杯で、石鹸で洗い流して掃き出さないと大変である。金堂周りの回廊は

何かの行事の際は信者が裸足で歩くところだから、金属片やガラス片があったら大変で

あるが、そのあたりはどうやら大丈夫そうだった。

ここまで3人でやっておよそ2時間。尤もホースがなくて水が使えなかったり、床洗い用

石鹸を家に取りに行ったりし無駄にした時間もあり、疲れたので残りの外回りは翌日

26日に延長にするとのことで、帰宅してシャワーを浴びることに。

明くる26日。今度は家のお向いさんも一緒に行くということで、同行することになった

のだが、タイ人はタンブンが好きだと思う。徳を積んであの世を楽したいのだろう。

まずは外側の回廊からだが、これがお向かいさんだ。

こっちはミヤさんで、金堂の外周の鳥のフンを拭きとっているところだが、風雨に

晒されてへばりついているので。石鹸を付けたブラシで擦っても落とすのが大変だ。

外回りで特に汚れがひどいところには。黒い虫がが鳥のフンにへばりついていて、水で

洗い流そうとするとザワザワって感じで動き出し、水面に浮かんで足に上ってくるため

ゾクゾクって鳥肌が立つ感じである。そのためミヤさんは、小さな塊なら水で流すが、

広い範囲ならそのままにするとのこと。とにかく気持ちが悪い。

最後は金堂の玄関先であるが、どういうわけかここが一番汚れていた。表口も裏口も

使い勝手からすれば同じはずだが、裏口は僧侶しか使わないから汚れが少ないかもしれ

ないが、金堂の入り口だけはちょっと入念になった。

今日はお向いさんも入れて4人であり、不足した物なんかも無くちょっと捗って1時間半

程度で終わった。片付けをしているところへ丁度お坊さんが来て、ミヤさんと何か話し

ていたが、最後に私の方を見て「アリガト」と手を振ってくれた。このお坊さんどう

やら我がムーバーンに朝来るお坊さんだったようだ・。

結果的には2日がかりになってしまったが、ミヤさんにしてみればタンブンだったかも

しれないが、私にしてみれば思いがけない「母の命日」のお寺参りになった。

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